こんにちは!
今回は学んでいる外国語の音声をBGMのように流し続けることに意味はあるのか考えていきたいと思います。
効果はあるの?
BGMのように学んでいる外国語の音声を流し続ける効果は少なからずあると僕は思っています。
ただし、本当にその効果を得るためには以下の点を注意する必要があります。
1. レベルが合っているか
まず音声のレベルが現在の自分のレベルに合っているのかがとても重要です。
BGM用の音声を探す際、ほとんどの人は難しすぎる音声を選んでしまう傾向にあると思います。
聞き流しだとしても、自分が理解できる、自分のレベルに合ったものを選びましょう。
では、どんなものを選べば良いのか。
1番のおすすめは、あなたがすでに使ったことのある(or 使っている)教材です。英語ならTOEICや英検などの語学試験の教材でももちろんいいです。自分が選んだ教材なので極端に難しすぎることはないと思います。多少レベルが高くてもすでに聞いたことのある音声であれば難易度は自然と下がるはずです。
SLAではリスニングのアプローチとして”Extensive Listening”と”Intensive Listening”があります。前者は「広く聴く」、後者は「深く聴く」ということなのですが、今回のトピックであるBGMのように聞き流すというのは前者の「広く聴く」に当てはまります。
この「広く聴く」目的は、言語そのものではなく”内容”に集中すること。それから新しいものを学ぶというよりは、すでに知っている語彙や表現にたくさん触れ、慣れることによりリスニングの”流暢さ”を鍛えることです。
SLAではこのExtensive Listeningを行う場合、学習者にとって少し簡単な教材を使用することを勧めています。難しい教材だと意味、つまりは”内容”よりも言語そのものが気になってしまうからです。さらに、”流暢さ”を鍛える上でも簡単な教材を選ぶこと必須です。
以上のことから、BGMとして流す音声は自分が理解できるもの、簡単なものを選びましょう。
2.”聞く”ではなく、”聴く”
BGMのように流していても、しっかりと聴かなければ意味はありません。
ここで言う”聞く”とは意識しなくても勝手に音が耳に入ってくることを指します。一方で、”聴く”とは心で聴く。つまり意識もそれに向いているということです。以下のことわざを聞いたことはありますか?
心ここに在らざれば、視れども見えず、聴けども聞(きこ)えず、食(くら)えども其の味を知らず。
(原文)心不在焉、視而不見、聴而不聞、食而不知其味。
「大学」より引用
「心(意識)がそれに向いていなければ、見ているようでも見えていないし、聞いているようで聞いていない、食べても味がわからない」ということわざですが、これは語学にも当てはまります。
SLAでは言語を習得するにはattention(注意・意識)が必要だと言われています。つまり、ただ聞いていても注意がそこに向いていなければ意味がないのです。ですので、BGMのようにと言っても本当に効果を得るためには、その音声の内容にしっかりと耳を傾けることが大切です。
本を読みながらや、ゲームをしながらなど、意識をそっちに持っていかれてしまうようなことをしながらではしっかり音声に意識を向けらません。その代わり、家事や運動、通学・通勤など、あまり意識を必要としないことであれば、音声にしっかり注意を向けて聴くことができると思います。
3.集中して聴く時間も設ける
2つ目のポイントでもお話しましたが、やはり意識して聴くことは大切です。
ここで言う”集中して”聴くというのは、2つ目のポイントとは少し違い、他の事を一切やらずに全神経をリスニングに集中させるということです。やはり本当にリスニングを鍛えたければ、”ながらリスニング”だけではなくしっかりと聴く時間を設けるべきです。
この集中して聴くときにはスクリプトを見ながら聴くことをおすすめします。そうすることにより、自分が今まで間違って理解していたものや聞き落としていたものをあらためて確認することができます。
この”集中して聴く”というのはある意味答え合わせのようなものと思っていただければ良いと思います。答えがわからない状態で(BGMのように)聴き、また答えがわかった上で再び集中して聴く。これを繰り返すことによりあなたのリスニング力は確実に鍛えられると思います。
以上がBGMのように音声を流しっぱなしにしながらも効果を得るためのポイントです。
参考にしてみてください。
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